社会福祉法人 岡山市手をつなぐ育成会

医療的ケア児等コーディネーター養成研修

2017年08月07日

                          地域サポートセンター仲よし

日時:平成29年6月20日-21日

会場:旭川児童院

【研修内容】

1.      総論

2.      重症心身障害医療の特徴&代表的な疾患の特徴・経過

3.      障害を持った人の医療的ケア

4.      ライフステージにおける支援の要点

5.      ライフステージにおける支援 福祉制度・福祉資源

6.      地域における重症心身障害児者の連携・協働の実際

7.      訪問診療ってどんなもの

8.      医療型短期入所実態報告

9.      在宅支援関連施設の理解 訪問看護の仕組み

10.  生活介護について

11.  重症心身障害児(者)の意思決定支援

 

【研修の感想】

この度、医療的ケア児等のコーディネーター養成研修に参加してきました。各関係者の立場から医療的ケア児等(以下重症心身障害児・者)に対する支援の実際や課題など話を聞くことができました。

まず、重症心身障害児・者への支援として、成長発達・状態安定のための支援、家族の暮らしの支援、チーム支援が特徴であると学びました。乳幼児期は生まれてから医療ケアが中心となるため、状態の安定が最優先となりますが、親や身近な大人との信頼関係を結ぶ関わりや親自身の役割構築が重要となります。青年期になると、社会参加に向けて様々な取り組みを行います。重症心身障害児は大きくなっても小児科で対応することが多かったそうですが、寿命が延びてきた近年では小児では対応できない病気(胃がんなど)も増えてきたため、一般の医療で診ることも課題となっています。

重症心身障害児・者の家族は介護の負担が大きく、今後の生活において不安を感じやすくなります。心理的なサポートとあわせて親の役割をいかに発揮してもらうかも大切です。特に父親は障がいの受容や母親との認識にズレが生じやすいそうです。父親として母親や兄弟の精神的支えとして期待される役割ではありますが、その父としての不安も大きいため、父親同士のピアサポートが重要とされています。

 医療知識を学ぶために医師からの話もありました。重症心身障害は基本的な疾患は一つでも相互関係で様々な障がいの連鎖が起きます。基礎疾患は中枢神経系の病気でも、呼吸障害や嚥下障害、てんかん、骨折など影響が多岐にわたります。一人ひとり障害の程度や能力も様々なので、きめ細やかな医療的対応が必要となります。それは支援者にも求められるため、支援者は医療的な知識が必要となります。気管切開をして気管カニューレを装着している子どもに対して、カニューレが抜けた時に再挿入できるのは原則、医師か家族しか対応できないそうですが、生活の幅を広げるため、外出先(学校や事業所など)で対応が必要となる場面もあると聞きました。医療との連携を持ちつつ、多くの人が関われるようになるための体制整備が必要だと感じました。

 福祉サービスの話では児童発達支援や放課後等デイサービス、生活介護など通所する事業所や在宅でのサービスについての情報提供がなされました。居宅介護でも一定の研修を受けた者が喀痰吸引を行えるようになっています。重度訪問介護の訪問先の拡大がなされて、以前は在宅のみでしたが、医療機関に入院した者にも提供できるようになりました。介護保険の療養通所介護事業所において重症心身障害児の通所事業を実施する場合の取扱いなど定められてはいますが、県内には2か所しかありません。重症心身障害児・者を取り巻く制度も改正されてきてはいますが、いまだに数が少ないのが現状です。

 今回、岡山県重症児を守る会から親の立場としての話も聞くことができました。親として、子どもの障がいを知った時に感じた気持ちや将来に対する不安は私の想像を超えるものであろうと思いました。それまで支援機関についての情報もなく、手探りで支援をしてきたことや、その中で出会った支援者や親同士の関係は温かくも感じられました。まだ、制度は追いついていない時代で支援機関も少ない時代であったからこそ、不安も大きいですが、親としての力強さも感じることができる話でした。

 研修の話を聞く中で、繰り返し言われていたのはいかに本人の意思をくみ取るか、ということでした。重症心身障害児・者は自分で意思表示する方法が限られており、その特性から家族や支援者が決めてしまいがちです。しかし、少しでも意思疎通の方法を見つけ、個別に対応することで、意思の汲み取りは可能であると言われていました。指の動きや目の動きだけで意思を伝える方がいますが、それも周囲の人が丁寧に関わる中で探り出して身につけた方法です。

また、人生のサイクルに合わせた対応と連携も重要になります。一人の対象者に対して、家族や医療関係者、教育関係者、福祉関係者など多くの関係者が関わる中で、いかに連携をとり、情報を共有していくかが鍵となります。重症心身障害児・者に関わる情報は命に関わる情報の共有だと話されていました。

 この度、医療的ケア児等の話を聞くことで、現状の支援体制や必要な知識を知ることができました。まだまだ、学ばないといけない知識や技術は多くありますが、現状を知ったうえで、私も出来ることをしていこうと思います。今後の重症心身障害児・者を取り巻く課題に目を向け、必要な関わりを行っていきたいです。

 

 

 

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