社会福祉法人 岡山市手をつなぐ育成会



就労移行等連携支援事業第1回研修会

                              地域サポートセンター仲よし

日時:平成29726日(水)1300-1700

場所:おかやま西川原プラザ(岡山市中区西川原255

 

 

【内容】

・講演『障害者就労支援施策の現状と課題について』

 障害保健福祉部障害福祉課 課長補佐 寺岡潤 氏

・講演『平成27年度から実施を受けて~本人の将来へ向けてのフローチャート~』

特定非営利活動法人 クロスジョブ神戸 理事長 古川直樹 氏

・講演『地域での社会参加を目指して~今なぜ必要とされるのか~』

 就労継続支援A型事業所協議会 会長 萩原義文 氏

 

【感想】

現在、障害福祉サービス等の予算は年々増加傾向にあり、その中での障がい者就労を取り巻く現状と課題について、厚生労働省の寺岡氏から資料をもとに報告していただきました。

 まず、就労移行支援事業についての話を聞きました。就労移行支援は指定基準上、実習先の確保や個人の適正に応じた求人の開拓、職場定着支援が規定されています。事業所は年々増加傾向にありますが、岡山県は全国的に見ると、まだまだ少ないとされています。設置主体は社会福祉法人が多いですが、近年は営利法人が増えています。事業所の中で一般就労への移行率が高い事業所もあれば逆に0%の事業所もあります。この一般就労への移行率が2極化していることが課題であると言えます。障がい者を受け入れる企業が少ない地域であることや事業所の職員の能力不足が一般就労に結びつかない原因とされています。平成27年度に報酬改定がされ、一般就労への移行率が高い事業所には加算が高くつくような仕組みとなりました。また、第5期の障害福祉計画では一般就労への移行率を平成28年度の1.5倍以上を目標値とするという案が出ています。

 就労継続支援A型については事業所数の増加が激しく、設置主体も営利法人が半数を占めています。岡山県は全国的に見て、人口比率からすると事業所数が抜きんでています。しかし、平均賃金は年々減少傾向にあります。原因は色々考えられますが、事業所自体が利益優先となっているケースも多くあるため、今後はA型事業所に関して見直されていく予定です。短時間労働の減算や暫定支給の在り方、賃金の支払いについて、自治体の総量規制に関してなど見直されて適切な運営をしていない事業所には改善計画を作成するようになります。今後の就労継続支援A型の在り方が問われると感じました。

 また、神戸で就労移行支援を行っている古川氏から岡山県の現状に関しての意見を聞きました。岡山県は人口比率からすると、移行支援が少なくA型事業所が多いという数値を示され、「このままで良いのか岡山県!」という投げかけと共に話をされました。また、就労支援の理念として、ソーシャルワークの視点から権利回復としての就労支援をすること、働かせるのではなく「働きたい」を支援することなど挙げられていました。働きたいという気持ちを形成するための働きかけを行っているか等、支援者としての姿勢が大切になると感じました。また、実際の神戸市の取り組みについての話を聞きました。有馬温泉では、マンパワー不足で旅館の空き室はあっても、お客を泊めることが出来ないという事態が起こっていました。そこで、障がい者の雇用場として旅館組合と県が支援することになりました。21日を「有馬温泉ユニバーサルの日」と定め、障がい者と旅館関係者の交流の場を設けています。実際の就労体験を通して、就職した障がい者もおり、一定の成果を挙げているようです。

 最後に就労継続支援A型事業所協議会会長の萩原氏から話を聞きました。萩原氏は障がい者に一度でも就労の機会を提供してほしいと言われました。以前まで知的障がい者は支援学校卒業後の進路として福祉事業所に行く道しかありませんでしたが、現在は大きく変わってきています。家族や支援者は不安もあるかもしれませんが、就労体験から本人が多くを学ぶことができると話されました。支援者として手を出さずに本人がどうしたら出来るようになるかを考えるのが必要です。この度、他市のA型事業所が閉鎖することになり、多くの障がい者が職を失った件についても触れ、一度就労体験をした人は再び働く意欲を持てるので、また次につながるだろうと言われていました。

また、萩原氏は就労系事業所で働く支援者は福祉施策ではなく労働施策から学んだほうが良い、と話されていました。私は、「障がい」があるから福祉事業所、ではなく、地域社会の中で共に働くという意識を持って、労働施策の動きは知っておくべきだと感じました。

今回の研修を通して、障がい者を取り巻く就労についての現状がよく分かりました。今後の課題も多くありますが、常に本人が「やりたい」「やってみたい」と意欲を持てるような関わりをしていきたいと感じました。

 

 

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